Microsoft社やIBM社は凋落するか
どんな大成功を収めた企業であってもその勢いは永遠には保たれない。
Microsoft社やIBM社とて同様だ。
それは全くその通りだ。
日本にも古来から盛者必衰という故事成語がある。
「祇園精舎の鐘の色、諸行無常の響き有り。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を現す」
しかしこの平家物語の一節も忘れ去られることなく現代日本に歴史の一部として受け継がれている。
コンピューターやインターネットの歴史はまだそれほど深くない。
しかしこれらの黎明期や普及期に大きな影響力を残した企業が容易に倒産し忘れ去られてしまうものだろうか?
自分は同じ事がMicrosoft社やIBM社にもいえると思う。
現在Microsoft社の製品は新興勢のGoogleやAmazonなどの企業と比べるとかなり色あせて見える。
GoogleやAmazonを筆頭とする新興勢は次々と産業界にイノベーションをおこし続けているのに比べると、Microsoft社の事業は巨大に膨らんだWindowsやOfficeなどの製品群のシェアを維持し、引き続きそれらで収益を上げる事に全ての力をつぎ込んでいるように見えるし、何かイノベーティブなものを連続的に生み出しているという印象はない。
だが1990年代後半のAppleを思い出して欲しい。当時AppleはMicrosoft社のWindowsやIBMPCなどに大きく差を付けられ、収益も落ち込みIT戦争における無残な敗者と目されていた。
しかし2000年代に入りiPodやiPhoneが次々と発売され、その後どうなったかは改めて語るまでもないだろう。
それを踏まえればIT業界も盛者必衰と感傷的にいうよりは、栄枯盛衰と形容した方がしっくりくる。